第28回世界コンピュータ将棋選手権に参加しました

2018年5月3日~5日にかけて行われた、第28回世界コンピュータ将棋選手権(WCSC28)に参加しました。 大会中の記録です。技術情報はまた別の記事で書きます。

結果を述べると、1次予選で5勝3敗(1不戦勝含む)で15位となり、2次予選には進めませんでした。

大会概要

世界コンピュータ将棋選手権はコンピュータ将棋協会(CSA)主催の将棋AIの大会です。

今年は前年に引き続き、神奈川県川崎市川崎市産業振興会館にて行われました。

大会の特徴は使用するコンピュータに性能・台数・設置場所(インターネット経由で大学やクラウド上の計算機も使用可)に制限がないことで、統一ハードウェアで行われる電王トーナメントとの大きな違いになっています。 逆に言えば、自前でコンピュータを用意しないと大会に出られません。

5月2日(準備日)

大会前日の夕方から会場入りすることができます。

ねね将棋はクラウド上のマシンで思考するので、会場では通信用タブレットPCのみを用いました。初参加ということもあり、万全を期して前日に配線と動作確認をしておきました。

設営済みの状態はこんな感じで、広々としています。 f:id:select766:20180507215859j:plain

5月3日(1次予選)

ねね将棋は選手権初参加なので、1次予選(5月3日)スタートです。

AWSクラウド上のマシン(p3.16xlarge)を立ち上げ、対局を行いました。

p3.16xlargeはNVIDIA Tesla V100という最先端GPUが8台搭載されたマシンです。まともに買うと1000万円以上します。 1時間当たり27ドル、約3000円です。1局対戦するごとに3000円払うのは精神が削られますが仕方ありません。

OSはWindowsにしました。無料のLinuxとくらべ値段が少し高くなるのですが、プログラムをLinux対応させてデバッグする気力がありませんでした。 リージョンはバージニア北部です。東京のほうが通信遅延が少なくちょっと得なのですが、値段が高いです。

こんな感じの請求になりました。 f:id:select766:20180507215625p:plain 前の月にデバッグ等で動かしていたので、あわせて5万円ぐらいかかりました。

各対戦結果です。

相手 勝敗
SilverBullet 〇(不戦勝)
Hefeweizen ×
名人コブラ ×
ツツカナ ×
隠岐
オッズの魔法使い
ichibinichi
dainomaruDNNc

SilverBullet戦は、相手の準備ができていないということで不戦勝となりました。

ツツカナは最初の2戦を準備ができていないため不戦敗となっていました。その後準備ができ、ねね将棋は惜しくも敗れました。 第3局終了時点の勝ち数で並んでいたということで対戦になりましたが、結果的にはこの負けが致命傷でした。

不戦勝からの3連敗で、一度も実力で勝つことなく折り返しました。なかなか重い空気でした。

終戦のdainomaruDNNcはdlshogiライブラリを使っており、Deep Learning勢の対決となりました。70手目まで互角の緊迫した戦いをねね将棋が制し、5勝3敗、勝ち越しとなりました。 f:id:select766:20180507221142j:plain

5勝3敗のチームのうち上位2チームが2次予選に進めるという状況でしたが、ソルコフ(対戦相手の勝ち数の合計)で劣り、ねね将棋は1次予選敗退が決まりました。 同じく5勝3敗のdlshogiは2次予選に進むことができ、Deep Learning勢としては初の1次予選突破になったと思われます。

昨年11月の電王トーナメントでは3勝5敗でしたので、成績は上がりました。floodgate上のレーティングも1700から2800まで上がったので実力通りの結果というところでしょうか。

大会中は他の開発者といろいろな情報交換ができました。特にdlshogiの山岡さん、broadenの中屋敷さんなどDeep Learningを利用した方々との交流でいろいろなアイデアが得られました。 まだまだ成績が伸ばせそうなので、これからも開発を続けていきたいです。

最後に、大会運営の方々、また対局・交流してくださった開発者の方々にお礼申し上げます。